お店の看板を道路から見つけやすく|突き出し看板が路面店に向いている理由
「通りに面したお店なのに、気づかず通り過ぎられてしまう」「正面の看板はあるけれど、横から見るとお店の場所が分かりにくい」。そんな路面店の看板づくりで、候補に入れたいのが突き出し看板です。
路面店とは、道路に面した建物の1階などにあり、通りから直接入れるお店のこと。通行人に存在を知ってもらえる立地ですが、看板の向きや周囲の建物によっては、入口の近くまで来ないと気づいてもらえない場合もあります。
今回は、突き出し看板の特徴と路面店に向いている理由、デザインや設置で押さえたいポイントを解説します。
1.突き出し看板とは?壁から道路側へ張り出す看板
突き出し看板は、建物の壁面から外側へ張り出すように取り付ける看板です。「袖看板(そでかんばん)」とも呼ばれます。丸型や四角型の小さなものから、縦長のもの、内部に照明を組み込んだものまで、さまざまな形があります。
特徴は、看板の表示面を建物の正面に対して直角方向に向けられることです。
道路に沿って建つ店舗では、入口の上にある看板は、通りの向かい側などから見たときに読みやすい向きになります。一方、同じ側の歩道を歩いてくる人には、斜めから見えることがあります。
突き出し看板は、その歩いてくる方向に表示面を向けることで、お店の正面に着く前から存在を知らせる役割を担います。
2.突き出し看板が路面店に向いている4つの理由
① 通りを歩いてくる人に気づいてもらいやすい
路面店の前を通る人は、いつも店舗の入口に顔を向けているわけではありません。進行方向を見ながら歩く人にとって、壁面に沿った看板は、見る角度によって文字が読み取りにくくなります。
そこで、通りに沿って近づく人へ表示面を向ける突き出し看板が役立ちます。看板の位置や周辺の遮蔽物にもよりますが、お店の少し手前から「ここにカフェがある」「この先に美容室がある」と伝えやすくなります。
初めて訪れる人にとっても、地図で確認した店舗を通りの中から探す際の目印になります。
② 間口が狭いお店でも、看板を見せる方向を増やせる
間口が狭い店舗では、正面に大きな看板を取り付けられないことがあります。隣り合う店舗に挟まれていたり、入口が少し奥まっていたりすると、正面の看板だけでは見つけにくい場合もあるでしょう。
突き出し看板を組み合わせると、限られた間口でも、通りの左右へお店の情報を届ける接点をつくれます。両面に表示する仕様なら、それぞれの方向から近づく人に向けて案内できます。
ただし、軒先や隣の看板、街路樹などに隠れてしまう位置では、十分に役立ちません。店舗の正面だけでなく、通りの両方向から見たときの状態が重要です。
③ 入口まわりの床面を広く使える
入口付近にスタンド看板を置きたくても、敷地に余裕がないお店は少なくありません。扉の開閉や人の出入りを考えると、置き場所が限られる場合もあります。
壁に取り付ける突き出し看板なら、床に看板本体を置くスペースを使わずに、お店の目印を設けられます。入口まわりをすっきり見せたい店舗にも取り入れやすい方法です。
一方で、壁から張り出すため、通行に必要な高さや周辺との距離、安全に固定できる壁の状態などの確認が必要です。地面に置かないことが、そのまま自由に設置できることを意味するわけではありません。
④ お店らしさを伝えるシンボルになる
突き出し看板は、形や色、ロゴの見せ方によって、お店の雰囲気を表現できます。
例えば、カフェなら丸型の看板に店名とコーヒーカップのマーク、美容室ならシンプルな四角型にロゴを配置すると、通りから見たときの目印になります。
外壁や扉、正面の看板と色や書体をそろえれば、店舗全体にも統一感が生まれます。「緑の丸い看板のお店」のように、場所を説明しやすい特徴にもなるでしょう。
ただし、店名が知られていない段階では、ロゴだけで業種が伝わらないことがあります。必要に応じて「CAFE」「美容室」「ネイルサロン」などを添え、雰囲気と分かりやすさの両方を整えます。
3.特に取り入れやすいのは、どんな路面店?
突き出し看板は、歩行者が通る商店街や駅からの通り、店舗が並ぶ街並みなどで検討しやすい看板です。
カフェやパン屋では、通りかかった人に業種を知らせる目印として。美容室やサロンでは、予約して初めて来店する人がお店を探す際の案内として活用できます。雑貨店など、外からは扱う商品が分かりにくい店舗にも、短い業種表記を加える方法が考えられます。
一方、通行人が主に店舗を正面から見る立地では、正面の看板を整えることが有効な場合もあります。また、車での来店が中心の店舗では、小さな突き出し看板だけでは見える距離や読める時間が足りないことがあります。
看板の種類を決めるときは、「誰に、どの方向から、どのくらい手前で気づいてほしいか」を整理することが大切です。
4.見つけやすく、読みやすいデザインのポイント
載せる情報は、店名と業種を中心に
突き出し看板は、移動中の人が短い時間で見ることを想定して考えます。店名、業種、ロゴなど、ひと目で伝えたい情報を優先しましょう。
営業時間、定休日、電話番号、料金メニューまで詰め込むと、一つひとつの文字が小さくなります。詳しい案内は入口付近の看板へ分けると、情報を整理できます。
例えばカフェなら「店名+CAFE+シンプルなマーク」、サロンなら「店名+何のサロンか分かる表記」といった組み合わせが考えられます。
外観との調和に加え、文字の読みやすさを確認する
外壁に合う色を選びつつ、看板の背景と文字には見分けやすい明暗差をつけます。淡い色同士の組み合わせや細すぎる文字は、離れると読みにくくなる場合があります。
おしゃれな筆記体や細い書体を使う場合も、店名が判別できるかを確認することが大切です。業種の表記には読みやすい書体を組み合わせるなど、情報ごとに見せ方を調整できます。
画面上で拡大したデザインだけで判断せず、実際の看板サイズや、想定する距離での見え方を踏まえて検討します。
看板の形と、文字を置ける範囲のバランスを考える
丸型は曲線のあるロゴや短い店名と組み合わせやすく、四角型は文字を整理して配置しやすい形です。ただし、形だけで読みやすさが決まるわけではありません。
長い店名を丸い面に押し込んだり、余白をなくして文字を並べたりすると、窮屈に見えることがあります。店名の長さやロゴの形に合わせて、看板の輪郭とレイアウトを一緒に考えます。
夕方以降も営業するなら照明を検討する
昼間に見つけやすい看板でも、夜は周囲の明るさによって見え方が変わります。夕方以降も営業するお店では、内部の光で表示面を照らす「内照式」や、外から照明を当てる「外照式」を検討できます。
光の当たり方によって、文字や背景の印象も変わります。近隣の窓や住宅、通行人へのまぶしさにも配慮し、お店の営業時間と街並みに合う明るさを考えましょう。
5.正面の看板や入口の案内と組み合わせる
店舗の看板は、見る場所に応じて役割を分けると、情報が伝わりやすくなります。
| 看板の種類 | 主な役割 |
|---|---|
| 突き出し看板 | 通りを近づいてくる人に、お店の存在を知らせる |
| 正面の壁面看板・切り文字 | 店舗の正面で、店名やお店の印象を伝える |
| 入口付近のプレート看板 | 営業時間や定休日などを、近くで確認してもらう |
| スタンド看板・ウィンドウサイン | メニューやサービス内容などを伝える |
例えば、突き出し看板には店名と「CAFE」を大きく載せ、入口横のプレート看板には営業時間、敷地内のスタンド看板にはおすすめメニューを掲載する方法です。
それぞれの看板で色やロゴをそろえると、通りで見つけた看板と実際の入口を結びつけやすくなります。看板ごとの情報量を抑えながら、「気づく」「お店を確認する」「内容を知る」という流れをつくれます。
6.設置前に確認したい、許可と安全性
建物の所有者・管理者への確認
賃貸物件では、外壁への穴あけや看板の取り付けについて、所有者・管理者への確認が必要です。設置できる場所や大きさ、配線方法、退去時の撤去・補修なども整理しておきます。
既存の金具がある場合も、そのまま使えるとは限りません。新しい看板の重量や出幅、金具の劣化状況を含めて確認します。
屋外広告物の規制と、道路上空への張り出し
屋外に設ける看板には、地域の屋外広告物条例などによる規制があります。設置場所や大きさ、表示内容などにより、許可や届出の要否が異なります。
また、公道の上空へ張り出す場合は、道路占用許可の確認が必要です。例えば名古屋市では、道路上空の突出看板に道路占用許可が必要で、出幅や路面から看板下端までの高さなどにも基準があります。
「看板が小さい」「店名しか載せない」という理由だけで、手続きが不要とは判断できません。屋外広告物の手続きと道路占用の手続きは別に確認し、設置場所を管轄する窓口の基準に沿って計画します。
取り付ける壁と、設置後の点検
壁から張り出す看板は、重量に加え、風を受けたときに取り付け部分へかかる力も考慮する必要があります。壁の表面材だけで判断せず、下地の状態や固定方法を確認して設置します。
設置後も、金具のさび、ボルトの緩み、看板本体の変形などを点検し、必要に応じて補修します。点検の対象や有資格者による点検の要件などは、自治体の制度や看板の規模によって異なります。
見つけやすさとあわせて、安全に維持管理できることも、看板づくりに欠かせない条件です。
SUMMARY
通りからの見え方を整え、見つけてもらえる路面店へ
突き出し看板が路面店に向いているのは、道路に沿って近づく人へ表示面を向けられ、お店の存在を伝える目印になるためです。間口が狭い店舗や、入口まわりのスペースが限られる店舗でも、取り入れ方を検討できます。
- 店名と業種が分かるシンプルな表示を基本に、正面の看板や入口の案内と役割を分けることで、店舗全体の分かりやすさも整う
外観との調和、通りの両方向からの見え方、地域の設置基準、安全性を踏まえ、お店の立地に合った突き出し看板を考えましょう。
参考資料
- 取り扱い看板一覧|CUVIC
- 歩行者から視認できるようにと袖看板を取付けました|CUVIC
- 屋外広告物制度について|愛知県
- 道路上(上空)の突出看板|名古屋市
- 有資格者による屋外広告物の維持管理・点検について|横浜市
※デザインや情報の分け方は一般的な解説であり、集客効果を保証するものではありません。設置の可否・必要な手続きは、地域や建物などの個別条件によって異なります。
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